間接税による社会的余剰の喪失?
漠然と考えているのが、「金融取引の消費税が転嫁できないことで、社会的厚生にロスが生じているのではないのか?」という問題意識です。
いえ、ただ業界に不利な税制だから改善してくれ、っていうのではレントシーキングと同じですので。。
租税法学者の論文などを読んでいて不満なのが、「公平」について論じられていても「こうあるべきだ」という理想論だけで、じゃあその税制をやったら経済社会にどう影響するのか、あんまり考えていないんじゃないか?ということでした。
しかし自分自身も実務から入った身であり、経済学の勉強は学部レベルですら学んだことがないので、この漠然とした疑問に答えを出せなくておりました。
一足飛びには解決できなさそうなので、まずは入門書を読みあさって、課税と生産者・消費者の行動、社会的厚生(社会的余剰)についてスタンダードな教科書ではどう説明されているのか、勉強を始めております。
今、これを読んでおります。
- 作者: 伊藤元重
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2009/02
- メディア: 単行本
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第4章の「市場取引と資源配分」まで読みすすめたところ、間接税の導入による社会的余剰の喪失について説明されている部分にあたりました。
以下、引用です。
「間接税がもたらす資源配分の歪みの大きさは、その財の需給が価格変化にどの程度反応するかによります」
つまり「需要や供給が非弾力的であるほど、税収に比べて余剰の損失が少ない」。
値段が上下しても、需給の変化が少ない財ほど間接税による社会的余剰の損失や価格の資源配分効果の歪みへの影響が少ない、と考えられるわけです。
これは、私が考えていることに使えそうです。
課題を並べておきます。
①金融取引の価格弾力性って、どう考えるのか?
②金融取引をモデル化して社会的余剰のロスを試算できる?
③非課税によって転嫁されない間接税(消費税)による社会余剰のロス??
学問は疑問を解きたい、という願望から始まります。
漫然と入門書を読んでいるだけじゃなく、冒頭にあげた疑問の解決のヒントはないか、これから勉強を進めていこうと思います。