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すらすら経済学を学ぶ日記。

会計・税務の実務家が経済学をすらすら学ぶ日記。

障害を経済学的に考えると。

「(米国の)経済学者の多くは差別を禁止するための特別の措置は必要ない、と考えている。なぜなら、差別をすると損をするからである。差別とは、自らの偏見を満足させるために利益を犠牲にすることである。」


例:人種が異なるからといって、自分のレストランでお金を払って食事をすることを断る。
  人種が異なるからといって、自分のスポーツチームに優秀な選手を受け入れない。
  HIVに感染しているからといって、優秀な弁護士を解雇する。


差別は合理性に欠けるため、市場競争により自然に淘汰されるというのが経済学者の考えだそうですが、競争が存在しない地域独占の場合はこの限りでもありません。
地域独占である新幹線の東京駅では、障害者は一人で新幹線に乗車できないため、30分前に特別待合室に行かなければならないとか。これは、差別でしょうか。




「資源配分を歪める(障害者に対する)割引チケットや現物支給を減らし、現金給付を増やすべき」


障害者はかわいそうなので優遇しなければならない、という思い込みから、様々な割引制度がありますし、税金で賄われる現物給付も行われています。
しかし、これは障害者も選択の自由を持ちますし、このような現物給付は社会コストが高い場合がほとんどです。価格により市場が供給する能力を認め、現金給付に切り替えていくべきであると。
一方、障害者年金制度は、障害者が働こうとするインセンティブを削ぎ、さらには親までがその年金給付をアテにして、いわば共生関係になっている場合すらあるとか。
やはり、ここでも「人々はインセンティブに反応する」という経済学の基本が。


生活保護制度の現物給付も検討されていると聞きます。
正義観や嫉妬から制度を歪めないような改正案を期待します。




「能力の劣る人間を社会から排除することが・・社会的損失であるか。障害者が健常者と比べて能力が劣るからといって職場に受け入れないことは、人道的な見地からも経済的効率性の観点からも不適切」



比較優位の話ですね。人間だれしも社会の役に立つ、ということを忘れてはなりません。
また、健常者であっても、忘れっぽかったり、丁寧な作業ができないなど、いわゆる(悪い言葉ですが)「使えない」とのレッテルを貼られてしまい、職場いじめやパワハラの対象になってしまったりする場合も、今日の余裕のない社会ではありがちです。


生産性が高い人だけで構成された社会など有り得ない訳ですから、価格による市場による資源配分の考え方を参考にしつつ、どう考えていけばいいのかな、と。


本日の学んだ本はこちら。

障害者の経済学

障害者の経済学