読書ノート「生活保護の経済分析」(その1)
とかく感情的・情緒的になりがちな生活保護について、経済学の知見をもって分析した研究書です。
とにかく面白い。
- 作者: 阿部彩,國枝繁樹,鈴木亘,林正義
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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「(昭和21年制定の)旧生活保護法では、品行が著しく粗悪な者は保護されないと規定されていた」mjsk
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
昭和25年の新法で「品行が粗悪」は削除されましたが、これは社会通念としては生きているなあ
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「日本の生活保護制度は、他の先進諸国では独立した制度で対応している高齢者の所得補償や低所得者の医療保障までも抱え込んでいることに留意する必要がある」fmfm
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「貧困の定義は社会がどうあるべきかという価値判断を伴うものであり、人々の理念や価値は時代とともに変化する」
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「アメリカ政府は一部地域で負の所得税の社会実験を行っていた」おおお
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
負の所得税導入により、労働供給は減少した(低所得者が働かなくなった)。しかし労働供給が減少しても社会厚生関数は増加しているはず(母子家庭で母が働かずに子供と過ごす時間が増えた)。うーむ
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「公的扶助政策の本来の目的は低所得者層の経済厚生の増加であり、負の所得税はその目的を達成している」
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「勤労所得税額控除制度のコストは、制度がどれだけの財源を必要とするだけではなく、労働供給行動の変化による税収等の変化も勘案する必要がある」これは従来の公共経済学では無い視点かも
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
(不正受給者は現金給付を詐取して、別の消費に使い効用を得るので)フードスタンプによる給付は不正受給者のインセンティブを削ぐ効果がある。政府の情報は不完全であり、誰が真の困窮者で、誰が不正受給者か見抜くコストと比較すると・・
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
経済学者は現金給付による「選択の自由」を重視している方が多いと思っておりましたが・・これも経済学的視点からはあり
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
(フリードマンの)負の所得税は、現物給付による非効率性を排除することを目的としていた・・しかし消費者は合理的に行動するとは限らず、ギャンブルやアルコールなどに走るので使途を制限したフードスタンプなど(家父長的政府
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
負の所得税の社会実験は1968年ニュージャージー州から始まり、1970年代に4回行われた(かなり前ですね
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
貧困層は効用を味わう必要はない、という考えはロールズの社会厚生関数の逆だからなんだろう?シバキ関数??
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「行動経済学においては、人間が将来の価値を割り引く際の割引率が一定ではなく、短期と長期においては異なるこという見方がある」(先のことを考えずに短期の消費に使ってしまう。ライフサイクル仮説の否定
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
このような近視眼的な家庭を公的扶助で救うべきか、というのは社会の考え方次第
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「・・賃金が低い場合には、全く貯蓄せず・・現役の間に消費してしまい、高齢期にフルに生活保護を受けることが最も個人の効用を高めることになる」うあああああ
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
生活保護モラルハザード仮説。年金非納付者のうち、2割弱が将来生活保護に頼ることをあてにしている(※モラルハザードは、「倫理の欠如」ではありません。念のため
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
菅桂太「年金未加入と生活保護モラルハザード」nira.or.jp/outgoing/repor… 第4章 ネットで公開されているのは有難い。後ほど読む
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
こちらも後ほど読む。 橘木 俊詔 消費税15%による年金改革 amazon.co.jp/gp/product/449…
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「生活保護の基本原理である無差別平等の原理(法2条)は、生活困窮がどのような理由によるものであっても(たとえ、「けしからん」場合であっても)保護が適用されることを明記している」むむむ
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「・・国による生活保障に価値判断を持ち込まない誇るべき理念」しかしこれは社会保険料を納付せず、意図的に生活保護へ依存するインセンティブを惹起してしまう
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「生活保護は恥ずかしい」という「道徳」に依存した制度運用は、前記のような生活保護インセンティブに動かされる人々に対しては無力ではないか
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 19, 2013
「実際に生活保護を受けるためには所得以外にも様々なハードルや不利益があり、生活保護と国民年金は100%の代替性があるわけではない」(低所得から生活保護へ至るまでの間の苦しい生活、資産調査、扶養義務調査、ケースワーカーの生活干渉・・etc.
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 20, 2013
「医療扶助には・・中長期的に見て治癒・回復するインセンティブがない。」病気が治ると「働ける」として生活保護打ち切りなので治癒を望まず治療期間が長期化するというメカニズムが(うあああああ
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 20, 2013
国民健康保険などのモラルハザード。被保険者資格証明書交付者(事実上の無保険者)の健康悪化を放置し、生活保護へ移行させたほうが収納率の向上が図れてしまう。生活保護へのフリーライド(おおお公共経済学っぽい
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 20, 2013
これを防ぐためには、国民健康保険の被保険者が生活保護へ移行した場合、医療扶助相当部分を一部負担させる(先の外部性の内部化。一種のピグー税
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 20, 2013
人々はおっぱい・・じゃなくてインセンティブに反応するという経済学の基礎は、制度設計を考える上で欠かせませんね
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 20, 2013
医療保険の未加入の問題は日本ではまだまだ研究蓄積が少ない、と。ふむふむ
— すらたろうさん (@sura_taro) 1月 20, 2013