金融市場における公共財とは?
金融市場における資金調達者と資金供給者との間には、
返済可能性や資金の本来の使途への充当・活用などについて、
典型的な「市場の失敗」である「情報の非対称性」が存在します。
情報の非対称性を解消するためには、
資金調達者・供給者は費用を負担しなければなりません。
銀行中心の相対型金融では当事者がその費用を
個別に負担します。
具体的には、資金調達者の財務諸表を読み取り、
現場に足を運んで経営者へヒアリングを行い
資金の返済可能性を見極める行為=審査や、
継続的に資金調達者=債務者をモニタリングする費用などが
考えられます。
調達者側での費用負担は資金調達時および
継続的な供給者への財務報告(月次試算表や資金繰り表など含む)
を行うことで費用を負担するわけです。
一方、市場型金融においては
同様の情報獲得活動は
優れた法環境と情報インフラという
公共財の提供を通じて行われるため
市場においてこれが自然に供給されることはありません。
あったとしても、フリーライド(ただ乗り)の誘因のため
公共財の供給は過少になります。
そこで、政府がその公共財を供給し、
市場参加者は集合的にその費用を負担することになります。*1
市場型金融を機能させるためには、
会計基準や情報開示制度なども整備し、
必要な専門人材を育成することも
合せて必要となります。
この費用も、市場参加者が負担しているわけです。*2
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おまけ。けいとくん(@keito_oz)との議論のまとめです。
http://togetter.com/li/530947