すらすら経済学を学ぶ日記。

会計・税務の実務家が経済学をすらすら学ぶ日記。

価格規制は弱者のためにならない。

ニューヨークで行われた家賃の上限規制を論じた部分について学びました。


「公定価格は市場価格より低いため、自由市場においては供給者に帰属すべきであった金額が需要者に移転されたものと考えられる」(所得移転)


規制を唱える方々は「強者=持てる者」から収奪し「弱者」へ所得移転することにためらいはないでしょう。この問題点はあまり説得力がなさそうです。


「価格規制は買い手にも売り手にも帰属しない社会的余剰の死荷重損失をもたらす」


これも目に見えません。


「規制自体に費用がかかる」


費用を負担するのは公共部門(この場合はニューヨーク市)であり、公的部門の費用は税金で賄われるので、家賃規制との直接的な関係は見えづらいです。特に公共サービスにフリーライド(ただ乗り)する傾向の階層と、家賃規制を唱える方々は重なるのではないか、と推測されます。


「・・非価格的割当方法に関する効率性と公正さの問題点が大きい。・・ときに賄賂や政治家の介入など社会的に容認されない不正を生み、また、しばしば、もっと必要とする人の手にではなく、最もずる賢い人の手に財が配分されるという非効率性を発生させる。」


・・そんなはずはない!人々は善意の存在であり、そんな卑劣な真似はしない、規制すればいいんだ!、というわけで論破されそうです。。


本日の参考文献はこちら。

需要と供給の世界

需要と供給の世界


弱者を守るための規制は多くの場合、その意図とは異なった別の結果を引き起こすことがあります。



上限金利規制、派遣規制は何を社会にもたらしたでしょうか。