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すらすら経済学を学ぶ日記。

会計・税務の実務家が経済学をすらすら学ぶ日記。

経済学の「考え方」をざっくり理解したいという方向けに。

本日はこちらをご紹介したいと思います。

経済学を勉強したいというニーズは大きいと思われます。
あんまり更新しないこちらのブログにも「経済学 入門書」とかの検索ワードで(細々とながら)アクセスがあるようですので。

とはいいましても、需要と供給の均衡するグラフから始まって、「限界効用」でつまづいて、ギリシャ文字の数式が出てきてあぼーん・・という方は多いのではないでしょうか。

本書は、経済学という学問の始まりから、新古典派ケインズ学派、マルクス経済学、オーストリア学派、制度学派などいろいろな経済学派の学説の整理、弱点などを解説したり。

生産の理論から金融、格差と貧困、失業の問題から、国際貿易まで。

経済学という「ツール」を使ってどんな問題を考えることができるのかという「考え方」を理解することができます。

あとは、興味の出てきた分野へそれぞれの入門書・基本書を読んでいくことで経済学の学習が進んでいけるのかと思います。

このようなハッとさせられる視点もいろいろあります。

経済学をざっくりでも理解したい方に、軽い読み物として楽しく読めます。

いまさら経済学部へ再入学はできないけど。(その2)

さて、その2です。

昨日のその1の「基礎300題」はいわば一問一答式でして、体系的な教科書の代わりにはならないと思われます。
独習で経済学を学ぶにしてもやはり基本書は1冊欲しいところ。

私もいろいろな経済学テキストに手を出しては、さっぱり理解できなくて投げ出したりすることを繰り返してきました。
自分にしっくりくるテキストというのはこういう試行錯誤を繰り返さないとなかなか選べないものですが・・それでは時間が無い社会人に酷というものですね。

どれか1冊だけ選べ、と言われましたら、定番ですがやはりマンキューを推薦したいと思います。

マンキュー入門経済学 (第2版)

マンキュー入門経済学 (第2版)

マンキューは「ミクロ」「マクロ」と分かれているものもありますが、この「入門」は両者から抜粋して編集されたもので、1冊で両方学べます。
貿易の問題や租税の経済効果の話も出てきますので、国際経済学、公共経済学のさわりも触れられていますね。

また、この第2版ではリーマンショックに象徴される金融危機の問題もさらっとですが記述されており、現実の経済にも対応。

分厚い本ですが、説明が丁寧なのでサクサク読めるのが特徴です。

と、褒め殺し状態ですが、一つだけ何点を言いますとやはり米国の教科書なので実例が米国の話が中心で馴染みにくいということでしょうか。*1
「1ガロンのガソリンが」と言われてもピンとこないですよね。

学部1年生向けで、日本で書かれたおすすめ入門テキストはやはりこれでしょうか。

入門経済学 第4版

入門経済学 第4版

伊藤元重先生の「入門経済学第4版」です。
マンキューのは残念ながらkindle版がないので分厚くて困るのですが、伊藤先生のはkindle化されていますので手軽です。
もう少し電子版は安くしてくれればいいのですが・・

*1:訳者により日本の経済データが補足されている部分もあります。

いまさら経済学部へ再入学できないけど。(その1)

社会人になって、仕事を進めるうえ、あるいは何か議論する前提として、初歩的な経済学の知識がないために困った経験がある方は多いのではないでしょうか。

私もそうでした。

これはいかん!ということで、アマゾンやら町の書店に駆け込んで「経済学入門」や「これだけでわかる経済」みたいな本を探してみても、山のような類書のなかでどれを選んだらいいやらわからない・・

その時、堂々と腕組みをした自信満々な著者近影が目立つ表紙にひかれて、間違った「俺だけが教える世界経済の真実」みたいな本を掴んでしまったら、それは別の世界へ迷い込むことになりかねません。

そこで、ご紹介したいのはこちら。
名古屋学院大学 「経済学部生のための基礎知識300題」

名古屋学院大学が、新入学の経済学部生向けに編集した「経済学部生のための基礎知識300題」です。
PDFで誰でも無料ダウンロードできます。

ミクロ・マクロから始まりまして、金融・財政、国際経済学、また、経済学を学ぶ上で基礎となるデータ処理や数学、経済学に関する英語の基礎までまとめられています。

名古屋に所在する大学ですので、愛知県の地元の産業の話とか、名古屋の区の名前を記入する問題とかローカルネタもあります。*1

高校で学ぶ「政治・経済」を一歩進めたくらいのかんたんさです。
何事も初歩からですので、経済学部出身じゃない方はこの辺から始めてみては。





続きます。(その2はこちら)sura-taro.hatenadiary.jp

追記:大学のお名前を間違えているというご指摘がありましたので、訂正しました。感謝。

*1:瀬戸デジタルタワーの位置を白地図に記入させる問題が!もちろん、私はわかりません。

独習者のためのkindle版で学べる経済学入門。

過去ログのこちらですが・・
独習者のためのおすすめ経済学入門テキスト。 - すらすら経済学を学ぶ日記。
だいぶ古くなりましたので更新したいと思います。

当時は経済学テキストのkindle版ってほとんどなかったのですが、最近、ずいぶん電子化が進んでいるようです。
実は、経済学のテキストは本棚に入りきらなくなってしまって、図書館にもあるものはだいぶ処分してしまいました。
kindle版ですとかさばらないのでいくらでも積むことができそうですw


①導入編。

何かと毀誉褒貶の激しい副総裁氏ですが、教科書執筆者としてはなかなか優れているものを書かれているのではないかと思います。
現実政策についての意見は含まれません。スタンダードな入門書。

経済学を学ぶ (ちくま新書)

経済学を学ぶ (ちくま新書)


伊藤元重教授の「入門経済学」。学部1年生の教科書としてよく指定されています。
ミクロとマクロが同時に学べるテキストで、初学者でも読みやすいと思われます。

入門経済学 第4版

入門経済学 第4版

残念ながら電子版なのに消費税分しか安くありません。


②ミクロ入門編。
ミクロ経済学?<プログレッシブ経済学シリーズ>―市場の失敗と政府の失敗への対策
ミクロ経済学?<プログレッシブ経済学シリーズ>―効率化と格差是正
Ⅰ・Ⅱ巻に分かれている八田教授のミクロ経済学kindle化されました。これは数式によらず、文章とグラフで説明しようとしているのでやはりボリュームが増えてしまうためかも。
これはとても読み切れない、という方でしたら、圧縮版のExpresswayが出ています。

これなら忙しい社会人でも読み切れるんじゃないかと。


残念ながら齊藤誠教授らの「NLASマクロ経済学」はkindle化されておりませんので、続いては金融編へ。

③金融編。
池尾和人教授のこれらをお勧めしたく。*1

現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)

現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)

銀行の信用創造とか、中央銀行の役割とか、「金融の仕組み」について手軽に学べる一冊です。
私の目標はこれの内容をなにも見ないですらすら説明できるようになりたいところです。*2
時事的なこちらもkindle化されています。紙の本の値段の半分ですね。


これらはあくまで、社会人が趣味・教養レベルで学ぶレベルの「経済学」ですので、気軽に読んでみたらいかがでしょうか。



*1:リフレ派の怖い人来ないでー!!

*2:まだまだできておりません。

読書ノート 持田信樹「財政学」その1。

散逸しないように保全。

財政学

財政学
















財政に関する議論の前提となる共通の基礎を共有するためには・・

財政

本日のお題はこちら。

関西学院大学の上村敏之教授の手になる、今日の財政状態に関する書です。
タイトルとは異なり、消費増税の是非といったテーマだけではなく、財政の持続可能性・歳出の無駄は本当にあるのか、そしてなぜ財政が必要なのか、という広いテーマに関する基礎的な考え方を解説しております。
特定の経済政策を「こうあるべきだ」として規範的に主張することはありません。
もちろん、社会の安定のために「財政」(公共の役割)が必要であるという立場にはあります。

その前段として、税制における公平(垂直的公平や水平的公平)と効率、プライマリーバランスとは、GDPと政府債務の比率の関係、一般会計だけではなく社会保障特別会計など、財政を考える上で共通の基礎となる考え方を易しく解説しております。


ちまたにあふれる議論では、このような共通の基礎の理解が無いままに、同じ言葉を違う定義で使ってひたすら混乱している場面が多いように思われます。


財政が無くなれば社会の安定は維持できません。
持続可能な制度を作っていくために、何をどうしていけばいいか、議論の基礎として押さえておきたい知識を提供してくれる一冊です。

みんなが財政危機の原因を少しづつ作っています。

財政

本日のお題はこちら。

財政危機と社会保障 (講談社現代新書)

財政危機と社会保障 (講談社現代新書)

2010年、菅総理(当時)「強い社会保障」を唱えた頃に書かれた財政と社会保障についての書です。
経済学の基礎的な考え方を使っていますが、一般向けに書かれた新書ですので、ところどころ単純化なども見られますが、説明のわかりやすさを優先したのでしょう。


社会保障関係費(一般会計の3分の1)がどんどん拡大し、財政赤字がひろがっていく原因は、社会保障(年金・医療・介護・保育など)分野への政府の強力な価格規制と参入規制であり、保険料は公費(税金+赤字国債)投入によりきわめて低い水準に抑えられております。
そのため、本来、低所得者層のみへ限定すべき社会保障給付による所得再分配が、低い保険料と自己負担によって中所得者にまで行われている事実が厳しく指摘されています。


既得権を持った業界団体や天下りで癒着する官僚機構だけがこの原因ではなく、中所得者や、高所得者までも低い保険料や自己負担を享受し、それを維持しようとして改革に反対している事実は苦いものでした。

誰か他に責任を押し付けたい。
しかし、私自身も含め、原因はみんなにあるようです。

さて、本当の改革はできるのでしょうか。